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日本電産の劇的な下方修正

日本一の経営者、小型モーターで世界を席巻する永守帝国

でも対応できない激変だ。

2019年3月期見通し、7.5%増収16.9%営業増益の当初計画が

2.6%減収13.1%減益計画に下方修正された。

売上は9.4%、営業利益は25.6%も下方修正されたのだ。

先日10%の営業利益の下方修正発表をした安川電機よりも、

はるかに大幅だ。

(2月決算の安川、3月決算の日電産、で時期が異なるが)

 

理由については「(米中摩擦で)想定を上回る客先の需要減

に加え、大規模な在庫調整(同社リリース)」とのこと。

つまり、顧客の方針変更が劇的だったということだ。

 

株メンターが再三指摘してきたように、

米中貿易戦争が、企業経営者のマインドを大きく冷やし、

企業の設備投資計画が大幅に修正されたことを表している。

在庫分を確保しようとするのを、一転して一斉に見送ったのだ。

 

会見した永守重信会長は「長い経営の経験の中で、

12月は見たことがない落ち込みがあった」と説明し、

「11月と12月の変化は尋常ではない。この変化を

甘く見てはいけない」と語った(ロイター)そうだ。

 

永守さんのこんなコメント、聞いたことがない!

 

外部環境の激変に耐え抜いてきた日本最強の同社でも、

対応しきれないほど変化が急激、強烈なのだ。

 

他の会社は、・・推して知るべし、だ。

 

会長の、”甘く見てはいけない”、の真意とは、

貿易摩擦だけではない、関税戦争を止めれば元に戻る

ようなものではない、中国の構造変化が重大だ、と

いうことではないかと想像する。

中国政府の、減税策等を矢継ぎ早に打たねばならない

慌て方を見ても、経済の急変とその深刻さが窺い知れる。

 

売り手の手じまいで一旦買い戻しても、株価には割高感が残る。