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日米業績、悪いから株が上がった

日米企業業績について、昨年10~12月期の四半期集計が概ね終了した。

日本は昨年10-12月期から減益に、米は1-3月期から減益見通しだ。

共に、絶好調から急転直下の減益に転じる。

 

【アメリカ】

現状の米主要500社の前年比増益率、見通しは以下。(画参照)

2018年 7-9月  +26%

 同  10-12月 +14.6%

2019年 1-3月  ▲3.1%(アナリスト見通し:画)

(出所リフィニティブ:日経記事)

2019年 通年  +8.3%増益(12月時点の見通し)

(QUICK他)

 

中国、欧州の需要減、また関税によるコスト高や、

ドル高による収益圧迫が主因とのことだ。

 

【日本】

2018年 4-9月  +20%

 同  10-12月  ▲27%

2018年度     ▲2.7% (2018.4-2019.3見通し、日経集計)

2019年度     増益見通し (12月時点、証券系リサーチ機関)

 

日米を比較すると、

日本の方が1四半期早く、そして大きく悪化している。

中国急減速の影響をいち早く大きく受けたからだろう。

 

この差が株価に現れている。

 

アメリカの業績は、2018トランプ減税の反動もあるので

やむを得ない面はあるものの、足元の急減速ぶりは顕著だ。

中欧等海外の影響で減益とのことだが、堅調だった

米経済が意外と大きく貿易摩擦の影響を受けている

かもしれない。

 

日米とも2019年の増益予想(12月時点)には違和感がある。

 

2019年は通年で減益に転じるのではないか。

しかも小幅では済まないのではないか。

 

中国、欧の景気の急激な悪化については、当コラムで

再三指摘してきた通りだ。

中国の景気対策は、あまりにも急激に経済が失速したため

下げをマイルドにするため政府が慌てて講じたのではないかと

みている。

短期で世界の景況悪化が収束するとは思えない。

 

今の株価は、景気が先々悪そうだから、上がったのだ。

世界中で金融緩和期待が高まるからだ。

ただ、実態は悪化するのだから、限界はある。