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景気後退を織込み始めた米市場

昨夜発表された、

3月米製造業・サービス業PMI(購買担当者景気指数)

そしてユーロ圏3月製造業PMI等が、軒並み予想を下振れた。

 

先日米FOMCでの予想外の厳しい景況見通しもあり、

米金利は底抜けしたように大幅低下し、株も大幅下落した。

 

米債券市場において、気になる動きがみられる。

本格的な長短逆転、の時代へと転換しつつあるのだ。

 

長短逆転、とは、長期金利と短期金利が逆転する状態。

景気後退の合図、とされる。

 

普段の景気拡大期は長期の金利ほど高くなるのが通例だが、

景況が先行き悪化すると市場が見る時、より長期の金利が

低くなることで逆転が起こる。

 

 

昨日、3か月物(TB)と10年債で一時逆転が生じた。

2007年以来、約12年ぶりだそうだ。

リーマンショック以降、初の逆転。

 

好況だった米でも景気後退(リセッション)への懸念が

強く意識され、その結果金利が大幅低下したにもかかわらず、

株価が大幅下落となったようだ。

というか、先行きを警戒したため、株を売り債券を買う資金の流れ

(flight to quality)が起こり、金利低下・株安となったと見るべきだろう。

 

 

米3/22引け値は以下。(bloomberg)

3か月物2.44%

1年債2.44%

2年債2.32%

5年債2.24%

10年債2.44%

30年債2.87%

 

今後逆転が明確になりその幅が拡大するか、に要注目だ。