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米企業の財務体質悪化

企業の財務体質が悪化している。特に米で、企業の格下げ社数が増えている。

 

理由は以前も紹介したが、左図の通り。長い低金利時代が、安易な多額の負債調達へと米企業を向かわせた。銀行は貸しまくり、起債市場もにぎわった。

 

過去を振り返ると、リーマンショックは、家計の危機。住宅のサブプライムローン危機だった。

 しかし、将来いずれ起こるであろう危機は、米企業の悪化した財務体質がその火種となるとみている。当コラムでも再三指摘してきた。

 

次回、株価が大きく下落すると、この問題が火を噴くだろう。借換えの債券発行の際に投資家が低格付け債を買わなくなる。昨年末に既に見られた現象だ。発行企業が即、資金繰りに窮することになる。

 

なお、中国企業も財務体質が悪化しているはずだが、中国の地方政府や企業の過剰債務問題はどう解決させるか読みづらい。

リーマンショックの時は、国有四大銀行に多額の不良債権があったはずだが、国主導で”飛ばし”を行い切り離したようだ。深刻なクレジット危機を懸念したのだが、あの時は中国は、4兆元の経済対策と共にしれっと回復した。

 

地方政府や企業の不良債権までも”飛ばし”たりできるのか。普通に考えればまず無理だが、国が大混乱に陥るようなら、国家主導の奥の手があるのかもしれない。そういう国だ。

 

 

私は米企業の財務体質を懸念している。負債依存から脱却している日本企業とは対照的だ。