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業績下方修正、が105円までなら織込済?

証券3社(野村、大和、日興)の企業業績見通しが下方修正された。

為替前提が円高に変更された影響も大きいようだ。

FM時代、最もよく見ていた3社業績予想だ。

 

大和は今回ドル円を110→105円前提とし、2019年度を3.6%の増益予想から0.3%の減益予想にへと変更した。

 

ただ直観的には、この減益想定は、8月の日経平均2万円付近までで織込んだのではないか。為替が105円を抜け円高になれば株価も下値不安再燃、なのだろう。

 

この夏以降、貿易摩擦懸念で中国やインドでは景気が一段と下振れしているようだが、中国は預金準備率引き下げなど、金融緩和策を打っている。

厳しい局面では確実に中国当局が動いているとの印象だ。日本株もこの当局の動きに救われている。

 

円が高くなっても105円までなら微減益で済むし、その程度までは市場に織込済であろう。今後さらに世界景気がどこまで悪化するか、あるいは中国のように当局の政策発動で落ち込みを回避できるか、であろう。

 

なお、2020年度は各社増益を見込んでいるが、2019年の足元でさえ分からないのにその先の信ぴょう性は低い。アナリストは来年にかけて景気が回復すると希薄な根拠で勝手に前提を置いていることもよくある。