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アジアの金融ハブの地位転落、香港

アジア開発銀行(ADB)がアジア各国のGDP見通しを発表した。

全体に下方修正だが、1つ劇的な数値がある。

 

香港だ。

 

今年の見通しを2.5%→0.3%に引下げた。3か月で▲2.2%!

GDP見通しの3か月での修正値としては見たことが無い悪化幅だ。

あとこの表には無いが、シンガポールも大幅下方修正らしい。

 

逃亡犯条例に端を発した香港のデモは、国家全体に致命的な影響を及ぼしつつある。

 

私はすぐに、香港の不動産バブルはこれを契機に崩壊すると指摘したが、

それどころの騒ぎではない。これは国家の存立に関わる一大事だと思う。

 

中国支配に反発する若者の気持ちは良く分かる。

しかし、その行為が、アジアの金融・貿易の1大拠点としての地位を

根底から破壊していることをこの数値は示していると思う。

デモにより、自国の最大の魅力を自ら壊していることに

若者は気付いているだろうか。

2020年に復活する数値になっているが、混乱が続けばとても無理だろう。

 

政治の歪みが経済を根底から破壊する。

これを、本当のカントリーリスク、というのだ。

この混乱は、解決させることが難しい。

世界中から集まったこの国のビジネス拠点の多くは撤退を始めるだろう。

 

アジアの金融ハブ、との香港人の夢が、消えた。

 

一方、比較して我が日本は、

おめでたいほどカントリーリスクの少ない国。

ありがたい。

日本は相対的に”まし”とみられている間に、

移民を受け入れ、国家を存続させる手立てを考えねばならない。