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アメリカの歪みを象徴する大学生

アメリカの大学生を見ると、アメリカが見える。

アメリカのローン返済を見てみると、アメリカ社会の歪みが見えてくる。

グラフはローンの種類別に延滞の状況をみたものだ。

 

リーマンショックの頃、多かった住宅関連のローンについては心配する状況ではないが、一方でここ数年高水準な延滞率なのが学生ローンだ。

 

アメリカの大学生、4割強が大学に進学するが、どのくらいが卒業できるか、ご存じだろうか。約4割だ。6割が大学中退なのだ。

しかも、高い授業料を途中まで払い仕事に就いてないのにローンを抱えて、だ。

 

大卒キャリアを目指して高卒キャリアとなった彼らはローンを抱え、返済に追い立てられるためすぐに安月給で働かざるを得ない。最初からローンに苦しむのだ。

高収入な仕事に就けず満足した生活とかけ離れた彼らの不満はいかばかりか。

学費は高い大学では、年間500万円にもなるという。クレージー!!

 

全体の4割が大学まで進学しその6割が卒業できない。0.4×0.6=0.24、つまりアメリカ人の約1/4がこの大学中退キャリアで、目指した就職先に付けない人たちなのだ。これが白人中間層と呼ばれる人たちだ。

 

彼らの平均寿命はなんと50歳台半ば、全米平均の70歳台とは大きな差だ。いかに不遇な生活を強いられるか、察するにあまりある。ストレス肥満由来の病気、ドラッグや、自殺で最期を迎える人が多いのだ。

 

学生ローンの延滞率は相変わらず高い。これがアメリカ社会の歪みだ。簡単には解消しない。だからトランプ支持層も、無くならない。

 

彼らはトランプの言動には深い関心がない。彼のツイートなど知らない。裕福な約30%の大卒キャリアの支配層が嫌いなだけだ。トランプが支配層30%に反対していれば、それでいいのだ。というか、30%に反対していれば、誰が大統領でも構わないのだ。

 

・・・トランプは賢い。そんな層が少なくとも国民の1/4はいることを知り味方につけたのだ。彼はそもそも白人中間層と全く関係ないはずだ。選挙は人数、再選の可能性は簡単に無くならない。

 

トランプさん、大学の学費を少し下げて差し上げたらいかがですか?高過ぎです。