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米雇用回復遅れ、テーパリングはまだ先

米10年金利が雇用統計以降、足元低下している。1.5%割れだ。

 

金融緩和解除の目印として、FRBが最も重視している雇用市場の回復が遅れている。

今月FOMCか8月ジャクソンホールでのテーパリング開始という

市場のコンセンサスは外れるのではないか。

今それを徐々に市場は織り込みつつあるようだ。

 

金融緩和解除のタイミングはまだ先だ。

緩和手段の検討は秋に始まっても、実際に実施されるのは来年位ではないか。

インフレ懸念はあるが、金利はまだ大きく上昇はしない。

株下落のリスクもすぐに顕在化はしないだろう。

 

なぜなら、失業者は手当で豊かなので、復職したがらないからだ。

 

米の求人数は経済回復に合わせ急増しているが、採用数は遅れたままだ。

米の失業者は、去年は失業手当の特別加算もあり、給付が月44万円!

今年も月28万円ももらえる。(上表 テレ東)

こんなにもらえて、誰が仕事を始めるか。

大盤振る舞いで、米の財政はどうなってしまうのか。

 

求人に失業者が応募しないのは当然だ。

いずれは働き始めなければならないので、手当が出る間は

失業者はもらい続けようとするだろう。

 

昨日も書いたが、この手当は6月に一部の州、9月までには全ての州で

終了するとのこと。

 

すると失業者が本格的に復職し始めよう。

失業率が大きく低下に向かうのは少なくとも秋以降。

 

FRBは雇用統計で失業率低下を数値で確認しない限り、動けないと思う。

 

当面は、物価指標はインフレを示唆し金利は上がり勝ちとなる一方で、

雇用指標の発表で冷やされ金利が元に戻る、というマーケットか。