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原油価格、低迷を許さないサウジ

OPECは4/3、追加減産を決めた。

昨年以降の減産幅は、日量200万バレルに加えて

今回110万バレルの減産、結構大きい量だ。

 

サウジの財政均衡油価はWTIで80ドル弱。

ブレイクイーブンの価格はどの産油国も従来より大きく上がった。

将来の脱石油に向け投資を加速しているからだ。

 

各国の均衡油価のグラフを以前、以下で紹介した。

2022年10月06日 - 原油WTIは今後80ドルを割れない

”割れない”ことはなかったが(苦笑)

一時70ドル割れまで下げた状態は、サウジにとっては

極めて不満だったに違いない。

減産発表後、WTI相場は80ドルを回復した。

 

 

また、今年は世界的に予想外の暖冬。

冬場のエネルギー需要は盛り上がりに欠けた。

これを受けガソリン価格も一時大きく下落(上図)

もうこれ以上下がらないレベルまで調整が進んだ。

 

原油相場は下げ材料をここまでで既にフルに織込み切っている。

ここからは、景気悪化で大幅上昇は見込みづらいものの

その可能性も既にある程度織り込んで下げたのではないか。

すると、そろそろ下げ一辺倒も転換、かもしれない。

 

原油価格は当然ながらインフレの今後、つまり米利上げの今後にも大きく影響する。 

今後も要注目。