第98回「アメリカ株より日本株、オルカンよりTOPIX」
皆さんお元気ですか?
資産運用の相談相手、株メンターの梶井です。
資産運用の投資戦略にストレートに役立つコラムを月1で紹介します。
「オルカンではなく、日本株に投資すべき」と2023年から私がずっと言い続けてきたことが、実際の値動きで証明されています。日本株は破竹の勢いで上昇し、米株を置き去りにしています。
オルカンやS&P500を買った皆さんは、早く乗り換えてください(笑)。
【米株のリスク】
オルカン投信の約6割を占める米株、その最新の注意点を整理します。
1. FRBは利上げも
FRB新議長ウォーシュ氏は、新たな金融政策の在り方を志向しています。FRB本来の物価重視の考えを取り戻し、インフレに対処することを最優先課題とするようです。
今後の原油価格がポイントですが、これが十分下がらなければ利上げを実施する可能性があります。AI銘柄も金利の上昇には勝てない、と先月の当欄でお伝えしましたね。
ただ足元、戦況が落ち着きOPECも増産意向なので、即利上げ、の懸念も後退しつつあるようです。
2. 超巨大IPO(新規公開) 3連発の弊害
今年はイーロンマスクのスペースX、に加え、AI開発の2大巨頭、オープンAIとアンソロピックも株式市場に新規公開をする予定です。金額の規模はいずれも超巨大で、スペースXは調達額が約750億ドル(約12兆円)、他の2社もこれに匹敵するような数兆円規模のディールになると予想されます。
巨大IPOに既存の投資家が応募するには巨額の資金が必要で、そのため通常、彼らは保有株を大量に売って資金を作ります。よって過去、巨大IPOは相場全体の転機(IPOが相場の天井)となることがよくありました。
今回は“超巨大”の“3連発”です。正直、ゾッとします。
オープンAIは先日、IPOを来年に延期しました。ほら、当の本人が最も懸念している!(笑)。
3. AI相場はバブル
米メガテック4社(MS、グーグル、アマゾン、メタ)はついに、AI投資の金額を競う競争に入りました。
本来技術力の競争のはずですが結局、先に巨額のカネを掛けた方が勝つ、ということのようです。
つまり、技術力の勝負ではなく、資金量の勝負になってしまっているのです。
だからCFの潤沢なこれら企業でも投資資金が不足し、借金をしたり、株式発行・売出しをしたりと、デット・エクイティ両面を使い際限のないカネ集め競争を始めています。
テクノロジーの競争がマネーの競争に転換したことで、いずれ金融市場を大きく震撼させる大変動が来そうです。マーケットが“とばっちり”を受ける、ということです。
テクノロジー競争の世界は通常、最後は一社総取りとなり、他の企業は全滅、となりがちですから。
【日本株への影響】
米メガテック株、AI関連株がもし下がれば、日本株も関連銘柄が下がると思います。AI関連銘柄は下げがきつくなるでしょう。
ただそれでも、日本株は下げたら買い、だと思います。そこが米株との違いです。
日本の上場企業は長期増益時代に入りました。先月当欄でコメントした通りです。デフレ30年の低迷期を越え、上場企業は超低コスト体質に転換し、値上げで売上は大幅増、さらに株価を上げる経営も東証改革以降浸透しつつあります。
わが国には投資資金も潤沢にあります。
まず、言わずと知れた「自社株買い」です。企業自身が、巨額を投じて自社の株を買い上げる時代となったのです!
さらに、2300兆円もの個人金融資産です。このうち半分、1000兆円以上がキャッシュ!
このキャッシュはインフレ時代には必ず、多くが投資に回ります。現金で置いていても、実質的に少しずつ消えてゆくだけだからです。
そのたった1割、100兆円が日本株に投資されただけでも、日経平均はさらに何万円上がるでしょうか! ん~、さらに10万円?!(笑)。
これが1000兆円の威力です。
【米株は、終わりの始まり?!】
一方米株は、40年以上の壮大な上昇相場の最終局面に居る、と私はみています。米株は40年間の金利低下トレンドに支えられて上昇を続けてきましたが、そのトレンドは既に転換しています。
世界の金利は上昇時代、物価はインフレ時代に入っています。
いま、米株が値持ちしているのは、金融緩和でばら撒かれたドルがまだ市中に巨額に存在していることと、AI革命によるブーム、のおかげです。ただ、AI相場の終わりが近い点、そして新議長ウォーシュ氏が、このばら撒かれ過ぎたドル、を気にしている点、が重要です。これを減らす、つまりFRBのバランスシートを圧縮したい意向を彼は強く持っているようです。
【さいごに】
世界の覇権国となって約1世紀、そろそろ米は覇権国としての「寿命」を迎える時期です。そしてその準備が、見事に整っているように見えます。
40年で50倍という米株大相場の終了が、覇権国アメリカが終わる合図となりうる、ということです。
以上、株メンターⓇでした。来月もお楽しみに。
