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スタグフレーション?肺炎インフレ

これはマズい。気になる兆候だ。

肺炎対応に追われる中国に、インフレのリスクがある。

新型肺炎の経済面への中期的なリスクだ。

 

足元ただでさえ豚コレラで豚肉が2倍に高騰し消費者物価が上昇していた。

さらに新型肺炎による経済活動の停止、つまりモノ不足が物価上昇に

拍車を掛ける可能性があるのだ。

需要に対し供給制約が起こる本格的なインフレだ。

中国の消費者物価指数に本格上昇の気配がある。(図)

 

今、中国の中央銀行、人民銀行は、

肺炎リスク対応で金融緩和を徹底させ、株価下落、経済の低迷を支えている。

 

株価は短期的にそれを好感しているが、

金融緩和を続けると、物価への影響としては、

インフレを助長、加速してしまうことになる。

 

つまり、金融当局が、肺炎とインフレに挟まれる格好となるのだ。

これは、まずい。

 

インフレとなれば、当局は緩和をいつまでも続けられない。

だが緩和をやめれば、株価が下がり経済は持たない。

 

さらに、中国が激しいインフレとなれば、その影響は中国に留まらない。

そのインフレ圧力は世界中に”輸出”されることになる。

 

今までの20年は、低賃金による過剰な生産能力が

世界中にデフレを輸出してきたのだが、今後は

皮肉にも、その真逆のことが起きるかもしれない。

 

すると、世界中の金融緩和政策にも影響が出かねない。

世界にインフレ圧力がバラ撒かれることになるのだ。

世界の中央銀行が緩和政策を続けにくくなり、

世界中の高株価が支えられなくなる。

 

景気が低迷する中での物価上昇、それはつまり「スタグフレーション」的な状況だ。

景気後退下での物価上昇をスタグフレーションと呼ぶ。

 

ここ数十年、経済現象としては世界は殆ど経験してこなかった。

教科書で習うだけの世界だったのだが。

 

スタグフレーションは、株式市場にはズバリ最悪だ。

当たり前だが、景気は悪化する中、さらに金利が上昇するからだ。

マクロでは、ダブルでネガティブなのだ。 

 

実は、株価本格下落、大バブル崩壊のきっかけ、とならないかと

少し前から私は心配していたのだ。

新型肺炎で火が付いてしまったかもしれない。

 

 

中国の物価、大注目だ。