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都心の高層ビルは不要?!

今後のオフィス空室率は、さらに一気に上昇するかもしれない。

 

リサーチ会社の一部専門家は、4%当たりで落ち着くなどと

呑気なことを言っているようだが、いつも見通しが外れる。

好不調の目安、5%をすぐ越えることも十分あると思う。 

コロナ禍のテレワーク等のインパクトを甘く見過ぎだ。

 

都心オフィス不要論も出るほどの新たな価値観の台頭は、

優良賃貸オフィスの存在価値を根幹から揺るがすような事態だ。

 

業界の認識は甘い。”どうせそのうち戻るよ”、だ。

なぜなら、こんな価値観が根底から覆るようなことは、専門家にも経験が無いからだ。

 

建築家隈研吾は日経インタビューで都市の将来を見通す。(「パクスなき世界」 以下抜粋)

長いが読む価値があると思う。

 

「自然災害や疫病をきっかけに都市は次の段階に進んできた。」

「現在の都市モデルは20世紀の米国で生まれた。シカゴ大火の反省からコンクリートと鉄で中高層の建物を作る技術が花開いた。人類の共通の基準のように思われているが、20世紀の一部の空間だけで適用された特殊なモデルだ。」

「高層ビルや工場のような『鉄の箱』に人を詰め込んで働かせるのは初期の産業資本主義では効率的だった。IT(情報技術)がもたらした新しい働き方にはそぐわなくなっていたが、都市モデルだけが残って形骸化していた。」

「コロナ後の都市モデルとは、村や集落のようなモデルになるだろう。高層ビルのような箱ではなく、人間同士のつながりが個人を支える。日本は祭りの文化が残り、村が底力を持っている。大都市にいる人間と村が相互に働きかければ、自然に溶け込んだ分散型のモデルに近づくだろう。日本は世界に新たなモデルを示せる可能性がある」

「個人の私有という概念が大都市を成立させてきたマジックだった。米国の大都市モデルでは私有の価値は絶対的だと思い込まされていた。『私有信仰』は震災などで随分弱くなったが、その流れがコロナでさらに進むと思う。集落は私有とは関係なくネットワーク自体が感情的な安心をもらたしてくれる」

 

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不動産業、Jリートの今後の業績に影響は小さくないと言わざるを得ない。

市況が悪化してから順次契約更改を迎えるため、

実際の業績悪化は市況から1~2年は遅れる。

業績が底を打つには今後数年以上かかることが既に見通せる。

 

で、底がいつか、はまだ誰にも見通せない。

コロナ禍がいつまで続くか見通せないからだ。

 

 

・・・ここまで高層オフィスのことを書いたが、

高層マンション、も不要ではないか。ウチの周りに沢山あるが。

 

災害時など、集中し過ぎることはリスクだ、と常々住んでいて感じる。

 

高層マンション、特に湾岸物件は、買わないことをお薦めしたい。

 

家も私有からシェアの時代か。