日銀株(8301)の急伸が続いている。正式には日銀出資証券。
今週初は3万円から、3日で47000円まで。(図)
突然の奇妙な現象。なぜ?
あれ、たしか日銀のPBR、昔は計算されていたはず。
計算してみよう。
今はサイトにも四季報にも情報がない。
発行口数100万口。日銀の純資産の部は4兆2457億円。
1口当たり純資産、BPUは424.57万円。
(日銀のBS情報[令和3年上期]:純資産=総資産690兆269億円ー総負債685兆7,812億円)
つまりPBRは0.1倍?ん、いや、0.01倍!!
だから連日ストップ高! いや、よくここまで売られたものだ。
破綻前日の企業の株価よりひどい(笑)。
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ただ、日銀といえば、株ETFを買い続けることへの不安も大きい。
今後はどうするのか、と。
ときに、今月の金融政策点検が注目されている。
そこでETF買いについて方針変更が発表されるかも、との期待かもしれない。
買い過ぎているのを止める、とか。
あるいは、バリュー株を探す投資家が、最後の最後にたどり着いた
究極のバリュー株!ということかもしれない。なにせ0.01倍!!
グロースからバリューへ、資金が流入している証左か。
ひとつ言えることは、
株式市場が下落するとみるなら日銀株は買われない、ということ。
簿価で35兆円超も保有している最大の日本株保有者なのだから。
一時的な動きで終わらなければよいが。
一番極端な解釈を試みると、
「日銀単独では、2013の黒田バズーカをもってしても成しえなかったデフレ→インフレ時代への転換が、コロナ禍による世界の中央銀行の超緩和と、米はじめ各国の異常な規模の財政出動によって、いよいよ達成されつつある証」、なのかもしれない。なにせ究極のバリュー株なのだから。
そうなれば、”日銀の保有株は将来どうすんだい?!”という心配は、もしかしたら”巨額の含み益を持つ保有株が、日銀・日本市場に対する安心感の証”などと、将来は評価が正反対になっているかもしれない(笑)。
いずれにせよ、市場を見極める1つの重要な目印、に躍り出たことは間違いない。
今後要注目。