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FRB内のズレ パウエル議長の統率力欠如

先週、FRB内のメンバーの認識のズレが非常に大きいことが、

FOMC議事要旨で明らかになった。

 

当コラムで再三取り上げたが、

パウエル議長は金融緩和解除にあたり

雇用回復を非常に重視している。

インフレになっても、バブルが起きても、

雇用が戻らない限り緩和は止めない、と

対外コメントでも再三強調してきた。

”えー、ホント?!” 最初聴いた時は驚いた。

インフレもバブルも、生じてしまえば簡単に

コントロールなどできない。

 

しかし彼の認識はやはり、FOMCメンバー17名のうちの

ごく一部からしか同意を得ていないようだ。

 

他のメンバーの多くの意見は、

「インフレ回避が最重視。景気が総じて回復するなら

テーパリングを早期に開始すべきで、雇用はそこまで重視しない」

ということだろう。

 

パウエル議長の再三の発言で、FRBは「物価の番人」を

放棄したのかと思ったが、それは彼個人のこだわりに過ぎず、

FRB全体の総意ではない。

 

私は以前から、パウエルのこの姿勢に大いに疑問があったが、

(FRBが物価より優先する事項など、無いはず!)

他の理事もやはり同様だったということだ。

私は、インフレ、バブルを放置する彼の考えは明確に間違っていると思う。

 

つまりテーパリングは、パウエルの気持ちとは異なり、

多くのメンバーに押し切られる形で彼の希望よりも早期に始まりそうだ。

 

では彼の議長としてのコメントとは、何なのか。

FRBの総意とはかけ離れ、一言一句に神経をとがらす我々市場関係者を

惑わせているだけだ。

以前から指摘している通り、困った議長だ。

彼の発言により、市場の見方、見通しが外れるからだ。

 

議長として意思統一を図る統率力に欠ける。

だから多くの理事が、メディアで彼の意向に反する発言を繰り返す。

 

 

ところが困ったことに、前FRB議長の財務長官イエレンは、

来年2月までのパウエルの任期に際し、彼の続投を希望しているらしい。

 

なんか、彼にストレスを感じていたトランプに同情したくなってきた(写真 笑)。