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スタグフレーションの欧、株高の怪

戦争も影響し物価高騰が続く欧。(左上図)

同時に景気も後退するスタグフレーションに

英も独も既に入っているとみられる。

 

ところが足元景況感は回復し(右上図)株価も相対的に堅調なのだ。(前図)

 

戦争による冬場のLNG不足懸念が、暖冬のため後退した安心感と、

中国のゼロコロナ解除による輸出回復期待、等が背景だろう。

 

しかし本質的な理由は以下のコラムで既に解説した。

2023年01月16日 - ここ1カ月で株が40%も上昇! どこの国?

新興国の異常な株高と同じ理由だ。

 

高い物価の割にECBの政策対応が遅く、インフレ退治の利上げが遅れているため、

実質金利(=名目金利ー物価)がマイナスだからだ。

株式市場に余剰マネーが流れてしまうのだ。

 

 

今の所この冬のLNGは賄えたようだが、急に寒波が来たりしたら

どうするのか。また、ウクライナの戦況等で原油相場が動き

追加的なインフレ圧力が加わるかもしれない。

 

市場では、目下2.5%のECB政策金利について、今後の利上げで

上限3%程度までしか織込んでいないとのこと。

その程度でどうやってECBは高インフレを収めるつもりか。

 

 

ECBは利上げをまだまだ続けざるを得ず、よって

欧の目下の株価水準は、とてもサステナブルとは思えない。