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金融リスク、まだ予断を許さない

シリコンバレー銀行、クレディスイス、と

銀行の破たんや経営危機、が市場を揺らす。

 

3月期末が近づくと、やはり決算に絡みクレジット問題が

どうしても表面化しやすい。

 

言うまでもないが、金融引締めとは、信用収縮。

銀行は貸し渋り、貸し剝がしをする、ということ。

債券を多く保有する地銀等の金融機関は、評価損にあえぐことになり、

また債務に依存する経済主体(家計、企業、国家)は皆、

大幅な金利負担増や貸し剥がしという悪影響を受ける。

 

今後銀行だけでなく、ハイリスク志向の投資家、ファンド、

低格付け企業、そして財政赤字国、が厳しい資金繰りに追い込まれる。

 

これら全てが無事、決算を越えられるか、全く予断を許さない。

これだけの急激な引締めなのだから、なにか出て当然だ。

というか、いつかはいずれは、”必ず”クレジット問題が起こる。

 

金利0%のスーパー緩和状態から、これだけ一気に引き締めたのだから、

何も起きない方がむしろおかしい。

普通に考えて、相当大規模なクレジット問題が起きて当然だ。

それほどのバブルだったのだ。

 

 

数年前のプライベートファンド、アルケゴスキャピタルが突然死したのを思い出す。

表面化したのは確か、期末を越えて4月になってから、だった。

野村、クレディスイスがやられた。

 

3月期末、4月初まで、どこから何が出てくるか、全く分からない。

 

 

ただ欧米とも、リスクオフの初期段階なので、国・当局が全面支援姿勢だ。

リーマンの時のような、即大クラッシュ、の可能性は今は低い。

 

しかし、”金融の急引締め”が、マーケットだけでなく

実体経済、企業経営に影響を与え始めたことを、

今後株式市場は警戒するようになるだろう。

 

世界のスタートアップ企業、新興企業、そして

FTX破たんの余波があり得る暗号資産業界も怪しい。

疑心暗鬼はまだ続く。