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FOMC 市場の前のめりな期待に振り回されるFRB

12月FOMCで利上げ無し。

また今後の利下げについて検討、とパウエルは発言。

これで米の利上げ期は終了した。

 

 

 

今回のFRB経済見通しの数値を見て、またまた驚いた。(上表)

FRBには、将来予測をする能力は、全く無い。

 

23年のGDPは2.6%まで上方修正されているが、

わずか半年前の6月は1.0%、3月は0.4%だったのだ。

 

 

また、上表の失業率を見て欲しい。明らかにオカシイ。

24年4.1%になって以降、25、26年そして長期目標も全て同じ4.1%。

 

 

この表にある数値は、経済予測ではなく、こうなって欲しいという願望だ。

FRBは真面目に予測することを放棄している。

本当に、FRBは、パウエルは、分からないのだろう。

 

 

さらに言えば、

FRBは先を見通しても当たらないので、将来予測は市場に決めてもらい、

コンセンサスに沿って予測に加え利下げへの判断変更や回数の認識も、

全て市場の期待に従う、というかサヤ寄せさせているように感じる。

 

 

市場の過度に楽観的な期待に、中央銀行が振り回されて政策決定している印象だ。

市場の期待をFRBが追いかけているのだ。

 

 

市場は一段と調子に乗って、FOMC後、来年の利下げ回数を5→6回、と言い出した。(下図)

FRBは目下3回分しか見込んでいないが。

 

 

FRBがこの期待に寄せるように政策運営すれば、当然

物価は2%に向けて低下はしない。インフレは収まらない。

 

 

CPIは9→4%には下がったが、これは原油価格の大幅下落と財のインフレ一巡によるもの。

今の4%をFRBの狙いとする2%にまで下げるのは容易ではない。

サービスインフレ、つまり賃金と家賃の伸びが大きく鈍化しなければ

ならないからだ。

 

 

 

市場の期待に合わせていて、どうやってFRBはここからインフレを抑えるつもりか。