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隠れたリスク、米商業用不動産

最高値を更新しそうな、盛り上がる日本株を尻目に、

隠れている問題が顕在化しそうだ。

 

左は米銀NYCB(ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ)、

右はあおぞら銀行の株価。(週足)

 

2月に入り、株価暴落。

 

ともに、アメリカの商業用不動産向けの引当増で業績不振。

 

また、ドイツでも一部銀行の業績にこの問題で影響が出始めた。

 

 

米商業用不動産、特にオフィスで、稼働低下は著しい。

NY、ロスでも空室率20%、他では40~50%空いているビルも多いようだ。

テレワーク以降、オフィスに人が戻らない。

 

そこに、金利上昇、銀行の融資態度硬化、が拍車を掛けている。

 

 

不動産投資ビジネスは借金ビジネス、銀行依存ビジネス。

 

利払い負担はコロナ前の10倍などもザラ、だろう。

ローン金利は例えば、コロナ前は0.5~1%、今借換が来ると6~7%、ということ。

 

 

問題が起きなければならなかった業界で、しかし全て
”先送り”されてきたようだ。

 

物件を売ろうとすると半値程度でしか買い手が付かない、だから売らない。

そもそも売買事例が極端に細っていて、相場が分からない、ということのようだ。

 

 

 

銀行は決算に伴い不動産を時価評価せねばならず、少ない事例から時価をひねり出したら

大幅な引当に迫られるほど物件価格が急落していた、ということだろう。

 

 

これは、一部の銀行や不動産業者に限った話ではない。

今後火種は大きくなるとみる。

 

 

貸し手の銀行だけでなく、借り手の不動産業界で問題が起こらねばならない。

 

 

まずは3月期末へ向け、ここ1カ月は気を付けたい。